2012年11月9日金曜日
"人材を歯車化する"店舗と"楽して稼ぎたい"スタッフとの相関関係についてのリサーチ結果
求人サイトの掲載情報から店舗と人材の傾向について考えてみました。
求人募集してる店舗の求人記事ですが、下記のようなアピールをしてました。
・「美容師だって18:00に帰りたい」そんな想いを実現しました。好きな仕事は自分に合う働き方で
・一人ひとりを大切にしたアットホームなサロンです
・働きやすさを追求し、改善・進化し続けます!将来を担う人財求む!(途中から歩合制)
・自分が主役!稼ぎたい!休みたい!も自由自在!!
・初めてでも働きやすい温かい雰囲気。知識・経験がなくても、その笑顔さえあればOK☆
だいたいのパターンとして「あなたの都合に合わせて働けます」「素人でも教えるからOK」「働きやすい環境」というのがほとんどで、"空いた時間に苦労せずに誰でも稼げます"という趣旨でした。
一部の求人は「自分のお店を持ちたい方募集」「あなたの夢や目標を応援します」と雇用後の将来のことに触れてるお店もありましたが、"働いてスキルアップした後はどうなるの?"という部分までは求人情報ですから提案は無かったです。
この手の求人だと"スキルアップして将来自分のお店を持ちたい人(昔は個人サービス店舗で働く有能な人はほとんどこれでした)"が入ってしまうと"一定レベルのスキルしか貯まらず歯車化される可能性が高い"&"独立開業は自己資金を貯めて独学でしないといけない"可能性が高い感じです。
※まあ普通の店舗だったら"店舗ノウハウ"を詳しく教えて近所の競合店に顧客持ったまま引き抜きされたらイヤですから、教えることは無いでしょうね
昔と比べると独立開業はどんどん難しくなってるので、この手の(空き時間を現金化したい人材向け求人)で"独立志向の人材"が長期間働いても得るものはほとんどないと思います。
逆に求人店舗側から見れば、この手の求人サイト・雑誌にいくら掲載しても「スキルアップしてお店の基幹人材になる人」を集めるのは困難です。お店スキル覚えたら、より高待遇なお店に行くでしょうし、そうでない人材は"教えてもらうのが当たり前の受身状態"で教育コストが凄くかかります。
大手チェーンであれば"独立志向の有能な人材"でなく"一定期間で代替え可能な汎用人材"の方が利便性が高いのですが、技能レベルの高い店舗や、志を持つ人材と一緒に仕事で成長したいと考える店舗は、別の求人方法を行ったほうが店舗と人材の両方にメリットがあるように思いました。
個人店舗ほど人材募集や育成コストを大手チェーンのように多額にかけたりは難しいですから、モチベーションが低く直ぐ辞める人材に長期間指導をすることは避けたいですね。
あと"独立志向の人材"を求人出来たとしても、ノウハウ盗まれてライバル店に乗り換えされたりしたら大損ですし、店舗ノウハウを詳しく教えることも難しいという事情もありそうです。
両者の問題点を解決する方法として、なにか出来ないだろうかと考えました。
その方法として「個人サービス店舗向けインキュベーションサービス」が"基幹人材を求人したい or 店舗スタッフを独立開業させたい"個人店舗と提携して、店舗の代わりに"基幹人材の求人募集 or 店舗スタッフの独立開業支援"を行えば、一番良いのではと思いました。
店舗側としては"店舗スタッフに独立開業という将来の目標"を提示することで、「長く働いていたスタッフの次のステップを提供」したり「他店から基礎教育の済んだ向上心のある人材をヘッドハント」が可能になります。
個人オーナー店舗であれば、50代まで同じお店でスタッフが主婦パート以外で働くのは難しいですし、20代後半から30代前半で独立開業できる流れを作った方が新人確保の好循環をつくることが出来ます。
※ただし同一商圏内には出店しない
あと周辺の競合店舗が"人材の使い捨て指向"であれば、向上心のある地域人材を優先確保することが出来ます。向上心のある人材ほど目先の雇用待遇や高額給与に惑わされること無く"自分のスキルアップと独立開業に繋がるお店"を求めていると思うので。
こんな本も出てる世の中なので、大手チェーンほど"店舗人材の歯車化"は凄そうです
使い捨て店長 (新書)
>大手外食チェーンの時間帯責任者として働いたことがあるが、半端なく過酷だった。毎夜150度の油を捨て、1メートル近い大釜に具材を満たして煮込む。やけど切り傷は日常茶飯事。掃除中の真夜中に10食とか注文が出るとぶちきれそうになって作っていたことを思い出す。
>そして正社員の尋常じゃない働きぶりにびびらされた。開店当初は丸2日店内に詰め、ほとんど店頭に立っていた。店長はたいていスタッフに指示を飛ばしつつ、食材の盛り付けをしている、完全にプレイングマネジャーだ。そんな「店長」が裁判で管理者か問われていたわけだが、外食の現場にいた人間の誰もが、「店長は管理業務しかしていない」なんて思うまい。
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