2012年11月13日火曜日
地元飲食店の衰退化とグルメ通販の可能性=グローバル化社会の縮図
飲食業界のことは好きなのでお店をいろいろ回るのですが、ここ数年思うのは「大手チェーンの寡占化が進んでいる」ということ。
ラーメンチェーンも汎用的な所が増えてますし、すき家やジョイフルのように500円前後で手軽に食べるorドリンクバーで長居するお店も増え(ジョイフルなんて人口3万人の町に3店舗もある=地元喫茶店や食堂は壊滅)、大型スーパーや家電量販店の集合体にテナント出店もどんどん拡大中。
居酒屋系も280円均一が普及して「鶏軟骨やたこわさ等の汎用メニューであれば大概あって、値段なりのそこそこな味」で十分な客層が集中してます。
対する地元飲食店ですが、大手チェーンと同じ汎用メニュー(鶏の唐揚げ、チーズハンバーグ、カルボナーラ等)だと20%以上は高くなるし、同一価格帯にするには業務用加工食材を使うことも増え、価格を優先して美味しさに妥協する悪循環。
メニュー訴求力に関しても、大手チェーンのような季節毎の更新やビジュアル提案が充実したものは個人店舗では難しく、単に名前を書いただけで中身の判らないメニュー(イベリコ豚の具だくさんパスタ)だと、名前を見てピンとくる顧客にしか響きにくい感じ。
当初は美味しい料理が出来ても販促部分が弱いので食材ロスも増え、それに伴って"注文されないから仕込みの手間や食材を低下させる"なんてこともありそう。
客層に関しても料理品質の低下が気にならない顧客は残りますが、その手の顧客は浮遊性が高いので、他店に移行した途端に対処法も無く閉店に向かうことが多いです。
これから大手チェーンはどんどん増えていきますから(居抜き物件も増えてるし)、地元個人店舗はますます価格と品質で「そこそこの味で低価格や利便性が高い大手チェーン」との競争激化が予想されます。
対処法として考えられるのは「ニッチ特化したグルメ通販化」が一番費用対効果が高そう。
しかし単に「お店の汎用メニューを通販」では顧客訴求力が弱いので、「客層や内容に特化したメニュー」を「オーナー自身がジャパネット的に積極アピール」しないと既存の大手通販ショップとの差異化は難しいですね。
上記を出来ない個人店舗「汎用メニューで知り合い主体営業してたお店」は除外されますが、それ以外の「個性的なメニューやオーナーのお店」には大手チェーンとの競争回避&商圏拡大のチャンスになります。
通販化によって「ニッチ特化したものをお取り寄せする指名客層」は狙えますが、どこにでもあるメニューほど埋もれやすい(たとえばふぐ・蟹料理とかだと、競合他社が多すぎてハイレベルを求められる)ので、極端な話「日本で10サイト未満のニッチ料理」まで絞り込んでメニュー開発から販促まで行うのが吉。
※成功してる通販の多くは「最高の品質」でなく「ニッチ特化」だと思います。総合的で最高の和食料理人になるのは不可能ですが、地元特産品&郷土料理専門の料理人(しかもネット特化)には成れるチャンスはある(競合が少ないので)
案外「通販やってもダメだった」「通販で売れるはずが無い」と思ってるオーナーの料理ほど、特徴が無いものってことがあります。
通販だと「食べてみれば判る」という提案だけでは弱いので、メニュー訴求に関してもある意味店舗営業以上に難しいですが、ニッチ分野を確立出来れば「専門店だったはずなのに汎用メニューが増えてしまう」「日によって注文が無いメニューがあるので、食材ロス軽減のために生鮮を止めて冷凍保存してしまう」ことから脱却が出来ます。
※酷いお店だとラーメン店なのに夜間に居酒屋メニューを充実させたり、本来のメニューの価値を貶めるお店もあります(T_T)
ある意味「通販市場」はグローバル市場みたいなものですから、スマートフォンの世界で例えると国産メーカーがサムスン・台湾・中国メーカーと勝負するような感じです。
地元商圏に固執して「自分としては良い商品・サービスだと自負してるし、常連さんも"美味しいよ"と言ってくれるけど来店客が減っている=常連は否定的なことは言わない」で現状満足してるお店には敷居が高いですが、もっと挑戦的に生きるオーナーから見れば大躍進のチャンスになりそうです(^^)
★地域産業の空洞化や増税や電気&石油価格高騰による影響を考慮してるお店ほど、地元商圏に依存してたらヤバいと思ってそうです。お店の調理・接客が良くても地域環境の変化を考えてないと「美味しいのに閉店」という現象は起きるので。
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